ニセコバックカントリー英語表記地形図の元データをどうぞ

Posted on Feb 8, 2023
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先日、HokkaidoWilds.orgは英語表記紙地形図「Niseko Backcountry」を発売しました。地図の関連サイトはこちらです。この記事では、Niseko Backcountryを自ら再現するためのデータを公開します。また、日本政府が公開しているGISデータを使って、Niseko Backcountryのような冬山用の地形図を、日本の他の地域のためにもだれでも手元のパソコンで作れる方法を解説していきます(地理空間データを取り扱う基本知識は少なからず要りますが)。記事の英語版はこちら

NISEKO BACKCOUNTRYを購入する

国土地理院の基盤地図情報を使って冬山用の地形図を作成する方法

国土地理院は、非常に細かな地形図データを提供し、営利目的のプロジェクトでも再利用できるようにしています。そのデータの利用方法については、こちらの記事で詳しく解説しています:日本の公式地形図シェープファイルの謎解き(英語の記事です)。

以下の記事では、オープンソースのGISソフトウェア、QGISを使って、英語表記スキー登山用地形図「ニセコバックカントリー」を再現する方法を順を追って説明します。理論的には、この記事で紹介するファイルやデータを使えば、誰でもHokkaidoWilds.orgスタイルのバックカントリースキーマップを、日本の他の地域でも作成することができるはずです。

注意:これはワンクリックでできる作業ではありません。多くの手作業と判断が必要です。しかし、ある程度QGISの経験があれば、この記事を読めば、地図製作を進める上で多くの作業を省略することができるはずです。

もし、あなたがQGISに精通しているのであれば、詳細は飛ばして、必要な全てのファイル(QGISのスタイルファイルやプロジェクトファイルを含めて)があるOpen Science Framework (OSF)からファイルをダウンロードしてください:OSF上のニセコバックカントリーGISファイル

所要時間 2 years

必要な道具

- パソコン
- デジタルカメラ(現地取材用)
- バックカントリー道具(現地取材用)

必要なもの

- QGIS (無料のオープンソースソフト)
- QGISのスタイルファイル

冬山スタイルの地形図を作成する手順

① QGISをインストール
QGIS(ダウンロードはこちら)は、GIS(地理情報システム)作業に使うオープンソースと無料のソフトウェアです。この強力なソフトウェアを使って、ニセコバックカントリーの地図パネルを作成しました。QGISを使うことで、国土地理院の地図データを視覚的に描写することができます。例えば、国土地理院が公開している地図データに等高線データが入っています。データのままだと、数字とデータベースとタグだけのデータになってしまいますが、QGISを使うことで、そのデータを実際の視覚情報として表示することができます。
② データを入手する

教育の目的で、ニセコバックカントリー地図の再現に必要なほとんどのファイルをOSFリポジトリに入れています:Niseko Backcountry 1st Edition Data > QGIS Project Files

すべてのファイルをZIPファイル(1.1Gb)としてダウンロードするには、ここをクリックしてください

もし、この手順を使って日本の他の地域(または北海道の他の地域)で独自の地図を作成する場合、国土地理院から無料で(基本地図データのみ)、または日本地図センターから有料で(すべての地図データレイヤーが利用可能)、関連する地図データファイル(シェープファイル)をダウンロードする必要があります。

③ データの使用許可を申請する(該当する場合)

国土地理院の地図データを商品や広く公開するものに利用する場合は、利用許可を申請する必要があります。これは、データの利用状況を記録しておくためのもので、拒否されることは聞いたことがありません。申請方法の詳細については、こちらの記事をご覧ください。趣味のプロジェクトや研究論文、山岳会などでの利用であれば、通常、許可申請は必要ありません。

申請後、このような文書が届きますので、商品に以下のような但し書きを表示することができます。

④ QGISプロジェクトファイルを開く

ニセコバックカントリー地図のQGISファイルフォルダー(1.1GbのZIPファイルのダウンロードはこちら)の中には、「Niseko-Backcountry-1st-Edition-Data_qfield.qgs」というファイルがあります。QGISでそのファイルを開くと、ニセコバックカントリー地図のプロジェクトが開きます。

⑤ フォントを入手する
このままだと、地名などのラベルのレイアウトがおかしくなっているはずです。特殊のフォントを使っているので、そのまま使う場合はHelveticaNeueLT(英語)とKozuka Gothic Pr6N(日本語)を入手する必要があります。
⑥ QGISのプリントレイアウトのテンプレートをダウンロード

QGISには、とても使い勝手が悪いが強力なプリントコンポ―ザー(地図の印刷準備をするインターフェース)が付いています。ニセコバックカントリー地図用のプリントレイアウトのテンプレートをこちらからダウンロードできます(ZIP、85Kb)。こちらのZIPファイルに、ニセコ連峰のパネル(66cm×97cm)や羊蹄山の地図パネルのテンプルレートが入っています。

凡例など、編集が必要になってきますが、QGISのプリントコンポーザーでどのようなことができるか、参考になるでしょう。

⑦ アドビInDesignのファイルを入手する

地図の裏面に、多くの注意書きや各フィールドの説明の英文が記載されています。この裏面のレイアウトをInDesignでやりました。地図パネル自体はQGISからTIFF画像として出力して、InDesignに挿入しました。

実際に使ったInDesignファイルはこちらからダウンロードできます(.inddファイル、15Mb)。

⑧ 地元の関係者と意見交換をする

冬山の利用になると、様々な利害関係が関係してきます。それらの利害関係をしっかり考慮した上で妥協しながらの地図作りとなります。ニセコバックカントリー地図の場合、ニセコ周辺で2回の説明会を開き、数多くの関係者と直接にお会いして話をしたり意見交換をしました。最初の段階では、批判は多く寄せられましたが、どれもとても建設的な批判で、最終的には、いただいたフィードバックのおかげで、より完成度の高い地図ができたに違いないです。

  • 初回のフィードバック - 印刷に先立って5ヵ月前に、ニセコに行って数名のバックカントリースキーガイドに地図の初稿の実物を見せました。いただいたコメントを元に、地図裏面の注意書きを充実させたりしました。この時点では、コメントをいただいたのは主に外国人ガイドで、全員は地図をとても肯定的に受け止めてくれました。
  • 第一回の説明会 (説明会資料, PDF, 13Mb) - 印刷に先立って3か月前に、一般公開の説明会を倶知安町公民館で開きました。説明会の案内はFacebookイベントとして公開し、関係機関にある程度無作為にFAXで送りました。Facebook上では、6名程度が「参加する」と回答していました、結局30~40人の参加者が当日参加しました。参加者は主に地元の山岳や自然ガイドでした。説明会後の意見交換では、批判的なコメントがほとんどでしたが、「わざわざ地元の声を聴かせる機会を設けて感謝している」というコメントもいただきました。
  • 第二回説明会 (説明会資料, PDF, 16Mb) - 第一回説明会の3週間後、第二回説明会を開きました。今回は、もっと絞った形で説明会の案内を関係組織の代表にFAX FAXやメールで送りました。説明会の案内の資料はこちら(ZIP、40Mb)。※町役場の組織図は 北海道のウェブサイトで公開されています。合計15人程度(スキー場関係者、北海道観光機構の方、ニセコウィンターガイド協会の方、ニセコ事故防止協議会の代表、町役場の関係者など)が第二回説明会に参加し、第一回説明会よりも多様性のある意見交換や話し合いができました。
  • 個別のメール - 北海道山岳ガイド協会など、何名かとメールでも意見交換をしました。
  • 最終フィードバックと妥協のプロセス - 建設的な批判が最も多かったニセコウィンターガイド協会の代表者の何名かと直接にお会いし、冬の登山口が農家や民家の生活圏に特に関わってくるルートを削除したり、お互いに妥協をしながら最終版を作り上げました。

説明会の報告書 - 説明会や意見交換について、報告書を用意しています:英語 (PDF, 1.5Mb) and 日本語 (PDF, 1.5Mb).

⑨ 印刷と販売

HokkaidoWilds.orgは任意団体として活動していますが、日本図書コード管理センターで出版者として登録し(出版社番号:9912666)、ISBNコードを取得することができました。

印刷と折り加工は、日本国内の最古の地図製作会社「武揚堂」にお願いしました。多くの印刷会社に問い合わせをしましたが、合成紙のユポ紙で、そのサイズ(66cm×97cm)で、すべて機械での折り加工で、という条件で合理的な値段で印刷と折り加工をしてくれる会社はほかになかったです。最終的に3000部をお願いして、「印刷+折加工+税+東京→札幌への送料」で一部240円という値段になりました。

販売に関しては、最初は知り合いがいたRhythm Japanのお店に置くようにお願いできて(オンラインと店頭)、その後はいくつかのロッジなどで販売したいという問い合わせが来ました。全ての販売店のリストはこちらのページの下の方で確認できます。

⑩ 実際に地図を使う
最後に、実際にフィールドに出て地図を使いましょう!

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MAIN ASPECT: Which cardinal direction the primary consequential slope is facing, that you might encounter on the route. More details here.

ROUTE TAGS: An eclectic picking of other categories that routes might belong to.

SEARCH BY LOCATION: You can find routes near your current location – just click on the crosshairs (). You may need to give permission to HokkaidoWilds.org to know your GPS location (don’t worry, we won’t track you). Or, type in a destination, such as Niseko or Sapporo or Asahikawa etc.

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ニセコバックカントリー英語表記地形図の元データをどうぞ Difficulty Rating

Category

Grade

Points

Strenuousness

Vertical Gain

D

25

Time ascending

D

0

Technicality

Altitude

D

0

Hazards

D

0

Navigation

D

0

Totals

25/100

GRADES range from A (very difficult) to D (easy). Hazards include exposure to avalanche and fall risk. More details here. Rating rubric adapted from Hokkaido Yukiyama Guidebook 北海道雪山ガイド.