今回作る充電器の概要
総費用:1,500円程度(部品のみで、半田ごてなどの必要な工具は含まない)
重さ:29g
耐候性:有り
出力:5V 1A DC (USB標準)
入力:6V AC (ほとんどの自転車ハブダイナモはこれにあたる)
充電効率:ソニーExperia Z(わりとバッテリー容量の多い(2330mAh)スマートホン)を、走る1kmごとに1%充電していく(スマホンの電源がOFFの状態)
充電開始時速:5.5km/h
充電器の「役割」
パソコンやコンセントでスマホンを充電するときに、スマホンに流れてくる電力は直流(DC)で電圧は5Vとなっています。これはUSB標準の電圧です。しかし、自転車のハブダイナモが出力する電力は交流(AC)で6Vです。 そのままスマホンの充電に使えないわけです。よって、ダイナモハブの6V(AC)を、パソコンなどのUSBから出力される電力と同様の電力(5V(DC))に変換させる必要があります。この充電器がその役目を果たします。
注意:私はほんの少ししか、電子工作に関する知識はありません。本充電器を今まで1,000kmほどの自転車ツーリングで使い続けていて問題は全くなかったのですが、見逃しているところがあるかもしれません。そのため、この充電器を使うことによってあなたが大事にしている電子機器が壊されてしまう可能性がゼロとは言い切れません。本充電器のご使用は自己責任でお願いします。自己で責任を負うのは嫌だという方はこれらの市販自転車用USB充電器のご購入をお勧めします:Bright Light Revolution(非常に格安だと思います)、Busch+Muller Luxos IQ2、ToutTerrain Plug II。
用意するな部品(札幌市内は、ストリップボード以外にはすべて梅澤無線電機から入手可能)
- プリント基板(ストリップボード)
- 5V 電圧レギュレーター(LM2940CT-5.0)
- ハブダイナモの6V出力を5Vに変換するための物
- コンデンサ①(16V, 22uF, タンタル)
- コンデンサ②(35V, 0.47uF, タンタル)
- コンデンサ③(25V, 2200uF, 電解コンデンサ)
- コンデンサの役割とは、自転車の速度による電流の荒れを安定させることだ。
- ブリッジ整流器(1.5A, 100V)
- ブリッジ整流器は、ハブダイナモ出力の交流(AC)を直流(DC)に変換してくれる。
- マイクロUSB端子(USB→マイクロUSBケーブルを切ったモノなど)
- 出来上がった基板の収納のための適切な入れ物(私はこの缶の中身を別の入れ物に移して缶をケースとして使った)
ステップ1
ストリップボードを4穴ⅹ25穴で長細く切ります。切り方は、カッターで両面に切り目を引いて、割ります。
ステップ2
用意した4x25の基板に部品を並べていきます。コンデンサの足は、長いほうが陽(+)、短いほうが陰(-)。写真をクリックすると拡大されます。
ステップ3
ブリッジ整流器を設置する。このステップにおいても、分極(+と―の位置)を注して設置しましょう。
そうすると今の段階では上から見ると以下のように見えているはずです。
このようになっているのであれば、次に部品を半田付けして固定して行きます。部品の過熱に注意するとともに、並列になっているメッキを横断的に半田が流れないように注意します。
そうすると以下のように見えるはずです。メッキが削られている箇所がいくつかありますが、下の方の箇所のみメッキを削ります(入力電気が直接レギュレーターに流れないように防ぐために削ります)。写真に写っている他の箇所は無視してもOKです。5mmのドリルで手回しで削ることができます)。
ステップ4
マイクロUSB端子を準備します。USB→マイクロUSBケーブルを切ります。USBの大きい方は不要です。USBケーブルの内側はたいていの場合は黒(-)、赤(+)、白(データ)となっています。今回はデータは要らないので、短く切っちゃいます。時には陰の方はグリーン色になっている場合があります。
ステップ5
マイクロUSBケーブルを基板に固定する前に、適切な容器を探しましょう。ホームセンターに行ってウロウロして探すのもアリですが、今回の基板をきれいに収納するのはホームセンター(ビバホーム)で見つけた「テトラ テスト試験紙 pH」の缶です。同じような寸法のアルミパイプでも有りでしょう。テトラの缶を使う場合、エンドキャップに穴をあけてケーブルひねり防止のグロメッとを入れるとわりときれいに出来上がります。
ステップ6
ハブダイナモに接続するケーブルとスマホンに接続するマイクロUSBケーブルを容器の穴に入れ、基板に固定します。まずはマイクロUSBケーブルの方です。ここでの分極が大事です!赤線が+の列に、黒が―の列に固定します。
次に、ダイナモハブに接続するケーブルを付けます。ここでの分極は関係ないです。ブリッジ整流器ちゃんがちゃんと整理してくれます。
ステップ7
ステップ5で見つけた容器に基板を設置します。耐候性を向上させるためのシーラントを付ける前に、この段階に一度自転車に接続しスマホンも接続してちゃんと動きているかどうかを確かめるといいでしょう。
ステップ8
このステップが必ず必要でもありませんが、耐候性を万全にするために、熱収縮チューブを巻きます。
ステップ9
自転車への取り付けが簡単にするために、ハブダイナモへのケーブルにコネクターを付けました。私が実際にこの充電器を使うのは年に2回程度ですので、使っていない時は取り外したいです。そのため、簡単なコネクターを付けました。
以上で、29gという軽さの自転車用のUSB充電器ができました。
実際に使ってみて・・・
今回の自作USB充電器は実は2台目です(回路や部品は全く同じ)。第一回目には、容器としてPVCパイプを使っていました。大変大きくてダサいです。しかし、効率性などでいうと今回のバージョンと一緒です。ソニーのExperiaZスマホンを、走行1kmごとに1%充電できます(電源OFFの状態)。ExperiaZのバッテリー容量が大きい(2230mAh)なので、バッテリーが比較的に小さいiPhoneのようなスマホンなら1kmごとに2%程度の充電ができるかもしれません。
いずれにしても、一日の自転車ツーリングでスマホンのバッテリーをいっぱいまで充電してくれます。注意しなくてはならないのは、スマホンの画面の電力の消費が大変多いですので、画面がオンでかつGPSを使うGoogle Mapsなどのアプリを実行のままで走行すると、充電器を指してもバッテリーは減ってしまいます(充電器を指していないよりも消費が少なくなるのですが)。
4 thoughts on “自転車のダイナモハブに使う自作(DIY)のUSB充電器”
ブリッジ整流器は200v3Aでもいいんですか?
ありがとうございます
残りの夏休みで作りたいと思います
僕は自転車通学なのでこれがあるとべんりそうです
友達にも自慢できますしね
簡単でいいので回路図書いてもらえますか?
どことどこをつないでいるかわからないので
お願いします
コメントをありがとうございます。回路図はこんな感じになります:https://www.14degrees.org/en/wp-content/uploads/2013/08/schema.png。汚くてすみません(笑)。これで大丈夫ですか。