HokkaidoWilds.org 2021年度活動報告書

Posted on Apr 14, 2022
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Posted on Apr 14, 2022
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パンデミックの影響で海外旅行が制限されたためか、2年連続でサイトへの訪問者数が減ったままですが、2021年度、川や湖のパドリングルート50本のルートガイド作成の目標を達成するなど、28本のルートガイドを新たに公開しました。また、オフラインでは、これまで以上にアウトリーチ活動にも取り組んできました。東京で開催されたGeoアクティビティコンテストでHokkaidoWilds.org作の英語表記地形図で最優秀賞をいただいたほか、北海道でバーチャルで開催された「アドベンチャートラベルワールドサミット」に参加できたのは嬉しかったです。また、今回初めて読者からの応援を募り、ご支援いただいたことに感謝しています。HokkaidoWilds.orgは、日本最北の島である北海道とその周辺のアウトドア情報を英語で発信する非営利任意団体です。 English report here

レポート内のリンク

印刷版:英語日本語

はじめに

2021年、HokkaidoWilds.orgはウェブサイトとして公開して3年目を迎えました。今年もまた、海外からの来道者がいない北海道でしたが、HokkaidoWilds.orgでは絶えずに取材活動を続け、北海道の川や湖のカヌールート50本の英語ルートガイドを公開するという目標を何とか達成することができました。全体としては、例年に比べて公開したルートの数が少なくなっていますが、これはアウトリーチ活動が例年より多かったということもあり、HokkaidoWilds.orgの執筆陣がコロナ禍による入国制限で不在が続いていることも原因の一つです。

北海道では、2021年のアドベンチャートラベルワールドサミットが話題になって、そのキックオフシンポジウムに参加できたことはうれしかったです。また、東京で開催された2021年Geoアクティビティコンテストで最優秀賞を喜ばしく受賞しました。

ウェブサイトのアクセス数は、パンデミック前に比べて大幅に減少していることは去年と同じ状況です。しかし、日本では徐々に水際対策が緩和されており、2022年夏以降、サイトや北海道への訪問者の増加が期待されます。

キーポイント

ルートガイド

3年間で50のパドリングルートを取材し公開するという目標を計画通りに2021年に達成できた。パドリングの目標を再設定し、これから3年間で20件ほどの道内シーカヤックルートを取材する計画を発表した。

アウトリーチ活動

北海道アウトドアフォーラムの委員会活動、いくつかのシンポジウムなどでのプレゼンテーション、展示会、コンサルティングの仕事など、2021年度はアウトリーチに忙しい年であった。私たちはこのような北海道のアウトドア業界とのコラボレーションも大切にしているが、2025年までの目標(各種ルートの公開の数の目標)に集中するため、2022年度にはこのような活動の一部を控えることにしようと考えている。

ウェブサイト機能

プロの助言や優れたCDNとサーバーへの切替により、HokkaidoWilds.orgのウェブサイトは以前より素早く読み込まれるようになった。また、日本雪崩ネットワークは後志エリアでの雪崩予報活動も拡大したため、HokkaidoWilds.orgのニセコエリアのバックカントリースキールートに、自動的に更新される雪崩のリスクアイコンを追加した。

謝辞

  • 今年もHokkaidoWilds.orgの読者の皆様から励ましのコメントをいただき、また私たちの北海道での活動をフォローしていただき、誠にありがとうございます。
  • 2021年に、HokkaidoWilds.orgの読者が私たちの活動を支援する方法を公開しましたが、資金面で支援してくださった読者には特に感謝します。
  • シーカヤック取材プロジェクトで使用するシーカヤックを割引価格で提供してくださったびわ湖カヌーセンター様に感謝します。
  • 国土交通省の「2021年Geoアクティビティコンテスト」に出展しましたが、最優秀賞をいただき、大変感謝しています。当コンテストには、一般社団法人UTMグリッド推進センターのご協力や助言をいただきました。
  • 冬の間、ニセコのキャビンを使わせてくれたクリス(HokkaidoWilds.orgの著者の一人)に感謝します。
  • ウェブサイトのシステムエンジニアのプロであるAndrew Tranterさんがウェブサイトのバックエンドネットワークを最適化に務めました。
  • 大雪山グランドトラバースのルートガイドのカスタムバッジを作ってくれた @joekkaido と、HokkaidoWild.sorgの利用者調査をしてくれた Danielle に感謝します。

1年間のルートガイド公開など(2021年4月1日~2022年3月31日)

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スキー登山ルート
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サイト合計
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自転車ルート
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サイト合計
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登山ルート
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サイト合計
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カヌールート
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サイト合計
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山小屋
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サイト合計

スキー登山ルート
2021年度には、合計15本のスキー登山ルートを掲載しました。特に今年はニセコ連峰に焦点を当てました。ニセコエリアに焦点を当てた理由は、まず第一に、バックカントリースキーには、ニセコエリアが魅力的であることです。雪質、アクセス、施設、温泉…アジアを代表するウィンターデスティネーションでリゾートしての賑やかさがある反面、バックカントリースキーにしては素晴らしい場所だということを否定する人はいないでしょう。一方、私たちには別の意図もあります。インスタグラムで言及した通り、ニセコ連峰のバックカントリースキーマップの出版を検討していますので、その詳細は2022年中に発表する予定です。

全てのスキー登山ルート: https://hokkaidowilds.org/skitour

夏登山ルート
HokkaidoWilds.orgのハイキング達人リックさんが国内にいなかったため、HokkaidoWilds.orgのハイキングセクションは比較的静かでした。しかし、2021年8月に作成した大雪山グランドトラバースのルートガイドができたのは、私たちの1年の大きな誇りです。ワールドクラスの縦走ルートであるグランドトラバースには質の高いオンラインガイドが必要だと長い間感じてきたので、私たちのオンラインガイドがそのニーズを満たすために少しでも役立つことを祈っています。当ガイドに付属するPDF地形図と印刷可能なガイドは、HokkaidoWilds.orgで作成したものの中で最も充実した内容となっています。

全ての登山ルート:https://hokkaidowilds.org/hike

カヌールート
3年前、私たちは「3シーズンで北海道のカヌールートを50本漕ぐ」という目標を掲げました。2021年についにその目標を達成しました。ハイディとロブは当初は初心者でしたが、今ではしっかりと中級者カヌーイストになり、これからも北海道の川と湖を取材し続けるつもりです。

カヌーの成功に続き、北海道のシーカヤックルートを最大20ルートまで取材する計画を発表しました。

全てのカヌールート:https://hokkaidowilds.org/water

その他の記事
2021年度初頭、私たちはデジタル簡易無線機の日本での登録に必要な公的書類を作成する英語版オンラインツールの開発に務めました。実際に利用された方は数名いたようですのでうれしいです。

また、洞爺湖の新しいルールとマナーガイドの翻訳にも時間を費やしました。洞爺湖のルールやマナーについて、より多くの人に知ってもらい、洞爺湖の利用についてより包括的な議論につなげたのではないかと願っています。

ウェブサイト機能の追加

サーバーとネットワークの改善
2021年にシステムエンジニアのアンドリュー・トランターが入団し、HokkaidoWilds.orgのネットワーク構造の整理を手伝ってくれることになりました。この結果、利用者にとってサイトの読み込み時間が大幅に短縮され、ホスティングにかかるコストをより効率的にすることができました。詳細はこちら(英語で)

日本雪崩ネットワーク(JAN) ニセコ地域雪崩危険度アイコン
日本雪崩ネットワークは、北海道の雪崩予報の範囲や頻度を広げ続けています。2021/2022年シーズンは、週3回のペースで速報を出していました。しりべしエリアのバックカントリースキーヤーに、現在の積雪の安定度を視覚的に素早く伝えるために、JANの速報を反映した雪崩のリスクアイコンを随時に自動的に表示するウィジェットを作り、ニセコエリアのスキー登山ルートガイドに表示するようにしています(詳細はこちら)。

コア・バリュー
私たちはできるだけ、地元北海道のアウトドアコミュニティに対して、任意団体としての活動を伝えて理解を深めるために、多くのアウトリーチを行ってきました。しかし、北海道の英語圏のアウトドア・コミュニティに対しては、まだそれほど多くのアウトリーチを行っていないことに気づいたため、HokkaidoWilds.orgの活動の原動力となる5つのコアバリューを明確にし、「About Us」ページに掲載しました。

  • WOWファクター
  • 情報提供
  • 教育
  • 繋がり
  • 非営利/オープンアクセス

支援の呼びかけ
2021年末、私たちは読者の皆様に、私たちの北海道での取材活動を支援する方法をお知らせしました。呼びかけた理由は、多くの読者からシーカヤックの取材プロジェクトに協力したいとの問い合わせがあったためでした。私たちにとって新しい試みでしたが、運営資金として寄付をいただくことができ、感謝しています。

アウトリーチ活動

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受賞
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論文
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委員会
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講演
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ワークショップ
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アドバイザー
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メディア

GEOアクティビティ・コンテスト最優秀賞
国土交通省 国土交通省国土地理院
12月に東京で開催された「2021年Geoアクティビティコンテスト」全国大会で最優秀賞を受賞し、驚きましたが、とても嬉しかったです。審査員の方々からは、国土地理院の基盤地図情報を活かして作成したUTMグリッド入りの英語表記地形図の有用性、新規性、そして現実的な重要性に感銘を受けたと報告を受けて、とても誇らしく思っています。 

論文
2021年、2本の一般誌の論文を書きました。

  • 日本勤労者山岳連盟北海道支部50周年記念論文集に論文掲載
    日本勤労者山岳連盟は、日本全国にある支部からなる日本最古の山岳連盟の一つです。  北海道支部の50周年記念で、北海道の大自然の魅力とそれに伴う登山文化について、論文としてHokkaidoWilds.orgの考えを伝える機会をいただきました。北海道のアウトドア・コミュニティに、HokkaidoWilds.orgの目的とビジョンをより広く伝える良い機会となりました。論文はこちらからです
  • Geoアクティビティ・コンテストの概要
    日本の地形図にUTMグリッドを導入する重要性を論じた短い論文です(論文はこちら)。

オフラインでの活動
例年通り、多くのイベントやシンポジウムに招かれ、講演をすることができました。

  • ATWSキックオフシンポジウム – 2021年に北海道でバーチャルで開催されたAdventure Travel Trade Association (ATTA)のAdventure Travel World Summit (ATWS)の「キックオフ・シンポジウム」に北海道観光機構に招かれて参加することができ、北海道でのアドベンチャー・ツーリズムを成長させるために何が必要かについての考えを伝え、パネルディスカッションに参加しました(2021年9月8日 – 詳細)。
  • 2021北海道アウトドアフォーラム トークセッション進行 – 2021北海道アウトドアフォーラムのトークセッションでロブが進行役を務めました(2021年11月30日 – 詳細
  • 2021年 北海道アウトドアフォーラム ワークショップ – 北海道アウトドアフォーラムでワークショップを担当し、国立公園になる予定の日高山脈のユニークな美観、安全、気象について参加者とブレストしました(2021年12月1日 – 写真)。
  • 2021北海道アウトドアフォーラム展示会 – フォーラムで英語表記地形図を展示し、北海道のアウトドアコミュニティに広く私たちの活動を紹介しました(2021年12月1日~2日 – 詳細)。 
  • 国土地理院令和3年度第3回情報共有会合 – 国土地理院北海道支部が毎年開催している、地図データの活用事例について関心のある行政やNGOが参加する情報共有シンポジウムでの講演を依頼されました(2022年2月25日 – 詳細)。
  • デジタル北海道のオンラインシンポジウム – 日本政府の地図データを使って、UTMグリッドの英語表記地形図を制作していることを北海道の業界関係者に紹介しました(2022年3月18日 – 詳細動画)。
  • 山のトイレを考える会 第23回フォーラム – 山のトイレを考える会は、北海道の山岳トイレを改善するために多大な活動をされている任意団体です。大雪山のトイレ事情について、私たちの考えを伝える機会をいただきました(2022年3月19日 – 写真動画スライド)。

メディア出演
業界紙「北海道建設新聞」に、HokkaidoWilds.orgが作る地形図についての記事が、こちらこちらに掲載されています。

アドバイザー – JTBアドベンチャートラベルモニターツアー(2022年1月18日~23日)|6日間のアドベンチャートラベルパッケージ旅行開発ツアーに参加しました。

委員会活動

  • 北海道アウトドア・フォーラム|北海道のアウトドア業に携わる200人以上の人々が毎年集まる北海道アウトドア・フォーラムの運営に携わっています。ロブは当フォーラムの専門委員です。
  • 北海道アウトドアネットワーク(HON)|ロブは北海道アウトドアネットワーク(HON)委員会の副委員長を務めています。HONは北海道のアウトドア業のオンラインポータルで、北海道のアウトドア業の拡大やネットワーキングに向けて情報発信しています。

将来目標

将来の目標として、「2025年までに北海道の隅々まで、山スキールート150本、登山ルート120本、カヌーツーリングルート50本、自転車ツーリングルート120本の掲載」を目標としている。

カヌールートについては、目標を達成することができ、とてもうれしく思っています。今にして思えば、もう少し上を狙えたかもしれません。まだまだ漕ぎたい川がたくさんあるからです。また、3年計画でシーカヤックのルートを20ルートまで取材し公開することを発表しましたので、パドリングルートの目標数をさらに増やし、2025年までに75のパドリングルートを取材することを新たに目標にしました。

北海道は夏登山が盛んなため、ハイキングルートの取材にも、2025年に向けて力を入れなければなりません。自転車ルートについては未だに数として伸びていない現状です。

2025年の目標への進捗状況

スキー登山ルート
125/150 83%
夏登山ルート
83/120 69%
カヌールート
50/75 67%
自転車ルート
43/120 38%

ウェブ統計

パンデミックの影響は続いているようで、サイトの訪問会数は週当たり約1000ページビューと、パンデミック前の半分以下となっています。サイトへのアクセスは、引き続きオーガニック検索が主体となっています。インスタグラムとフェイスブックのエンゲージメント率は、この半年ほどで低下しています。これは、アルゴリズムが定期的な新しいコンテンツを好むためで、私たちが定期的に投稿することが少なくなったためだと思われます。

チャンネル(ソース)別のアクセス数の推移

ソース別のアクセス割合

地域別のアクセス割合

地域別のアクセス(推移)

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会計の概要 (2021年4月1日~2022年3月31日)

任意団体としてのHokkaidoWilds.orgには二つの「口座」があります。

  1. ファウンデーション口座:今年は、Amazonのアフィリエイトアカウントの支払い基準額(5000円)に達したため、わずかながら5,241円のアフィリエイトリンク収入がありました。「基金」に近い口座ですが、このファンドに入るお金の100%を、北海道の登山道整備、山岳安全、山岳教育などに取り組んでいるボランティア団体に寄付する方針です。HokkaidoWilds.org基金について詳しくは、こちらをご覧ください
  2. 運用口座:HokkaidoWilds.orgのウェブホスティングなどの費用は、講演料などの間接的な収益で賄っています。これらの資金は、主にウェブや事務の費用に充てています。しかし今年は、北海道シーカヤック取材プロジェクトで使用する4艇のシーカヤック購入のため、2年ほどためていた予備費をすべて使いました。また、今年はアンドリュー・トランター氏の協力のもと、ウェブにかかる費用を大幅に合理化しました。プラグインのライセンス費用を削減し、より優れたCDNを採用するなど、ウェブ部門の運営資金をより効率的に活用できるようになりました。
ファウンデーション口座
アフィリエイトリンク収入 5,241
ファウンデーション収入合計 5,241
ファウンデーション口座支出
ファウンデーション口座支出合計 0
運用口座
収入
A) 前年度からの繰越額 359,538
寄付(ロブに支払われたHokkaidoWilds.org関連のコンサル料、講演料、委員会謝礼など) 416,750
寄付(HokkaidoWilds.org読者から) 69,312
ウェブ運用関連の返金 25,800
B) 収入合計(A+B) 511,862
支出
ウェブ運用費(プラグインライセンス料、サーバー料) 130,329
展示パネル 47,849
シーカヤック購入補助 514,717
C) 支出合計 692,895
純資産(2021年3月31日現在) (A+B)-C 178,505

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MAIN ASPECT: Which cardinal direction the primary consequential slope is facing, that you might encounter on the route. More details here.

ROUTE TAGS: An eclectic picking of other categories that routes might belong to.

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HokkaidoWilds.org 2021年度活動報告書 Difficulty Rating

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Grade

Points

Strenuousness

Vertical Gain

D

25

Time ascending

D

0

Technicality

Altitude

D

0

Hazards

D

0

Navigation

D

0

Totals

25/100

GRADES range from A (very difficult) to D (easy). Hazards include exposure to avalanche and fall risk. More details here. Rating rubric adapted from Hokkaido Yukiyama Guidebook 北海道雪山ガイド.